浙江省諸暨市で行われている靴下専門の展示会を見て来ました。
ここは「世界一の靴下生産地」として知られ、特に大唐街道は“国際ソックスの都(国际袜都)”と呼ばれています。
年間生産量は約250億足にのぼり、中国全体の7割、世界の3分の1を占める規模を誇る、まさに靴下産業の中心地です。
今回訪れたのは、9月9日から11日まで開催されている 「第19回 中国・大唐国際襪業博覧会(CIHIE 2025)」。
会場には200社以上が出展し、靴下やパンティストッキングから原材料、最新の生産設備まで、業界全体を網羅した展示が並んでいます。テーマは「新動能・新質造」。ファッション化、機能化、デジタル化、国際化、グリーン化といった五つの改革を同時に推進する姿勢には大きな刺激を受けました。
特に印象的だったのは、日本ではすでに姿を消してしまった靴下編機メーカーが10社以上出展していたことです。
外観がイタリア・ロナティ社の編機とよく似たものも多く、模倣と感じる部分もありましたが、それでも現地のニーズに合わせて改良を重ね、市場で競い合っている点は評価すべき現実です。
そして大きな収穫は、奈良で建設中の新工場に導入したいと思える機械を実際に見つけられたこと。
カタログや図面だけでは分からない操作性や仕上がりを、現場で直接確認できたのは非常に有意義でした。
私たちが目指すのは大量生産ではなく、“高品質・高付加価値”のものづくり。
その理念に沿った設備を見極めることが、これからの工場づくりにおいて欠かせません。
これからの三笠のものづくり、そして新しい工場づくりにしっかりと生かしていきたいと思います。
